デリカD:5は故障が多いと一部で言われているようですが、個人としてはそういう印象はありません。
丈夫であり、ファンも多く、長く愛される事の多いデリカD:5ですが、機械ですのでトラブルが起きてしまうことは仕方ないことだと思います。お客さんの車を整備していくなかで傾向的に発生していると感じるトラブル、経年や走行距離による劣化に伴うトラブルと予防方法、修理費用などをまとめてみました。中古車を買う際などにも参考にしてみてください!デリカは20万キロ以上愛用される方もおおく、丈夫である車の証ではないでしょうか!?
劣化型故障
ラジエーターからの冷却水漏れ(ガソリン車)
ラジエータータンクにヒビが入り冷却水が漏れてしまう故障です。
エンジンのオーバーヒートに繋がるため、即修理が必要です。
修理目安は、8~10年、10~15万キロ程度に感じます。ガソリン車で散見されます。
目視点検を行うことで漏れに至る前に、ひび割れを発見することが出来ます。
ひび割れを発見したら、漏れる前に予防整備を行いましょう。
バンパーの口から、のぞき込むだけです。
運転席側のラジエーター黒い樹脂タンクにひび割れが見えたら交換が必要です。
修理は1日で完了します。
~修理費用目安~
同時に交換する部品(ホース類など)により前後します。
純正部品使用 | 約10万円 |
社外部品使用 | 約7万円 |
社外品ラジエーター
CVTからの異音(ガソリン車)
特に夏場の高速走行時や、登坂走行など高負荷が続いた場合などに「ウィーン」という唸り音のような異音が聞こえる場合、CVTフルードの劣化により泡立ちが発生しキャビテーション異音が発生している可能性があります。
この場合の特徴は、休憩などで停車しCVTが冷えた場合に異音が解消することです。
多くの場合、CVTフルードを交換することで異音が解消します。
CVTフルードは2~4万キロを目安に純正品で交換することで、予防できます。
~交換費用目安~
CVTフルード交換 約1~2万円 (純正品使用)
牽引する場合、大径タイヤ装着など、負荷が多い場合には、オイルに厳しい環境になるので、初期型のみに設定されていた後付けのCVTオイルクーラーの取付も効果的のようです。
応急タイヤの錆(異音、エア抜け)
デリカの応急タイヤ(テンパータイヤ、スペアタイヤ)は、車両後部の下面に装着されています。
降雪地方など、融雪剤の撒かれたた環境をよく走るかたは、応急タイヤ用のホイールのサビが深刻になっている場合があります。
錆が原因でエアバルブ周辺からエア漏れが発生し、タイヤがホイールから外れ、ガタ音が出たりすることがあります。
応急タイヤはいざというときに使えないと困ってしまうので、少々手間ではありますが、定期的な点検で空気圧と錆の様子を点検しておくとよいでしょう。
ホイールに錆が発生した場合は、ワイヤーブラシなどでさびを落とし、シャシーブラックなどを塗装することで、錆の発生を抑えることが出来ます。
ヘッドランプの曇り(前期)
デリカに限った話ではありませんが、デリカのヘッドランプも樹脂カバーであり経年でくすんで黄ばんでしまいます。前期モデルでは特にみられます。そのまま乗り続けると、ライトの照度も落ちてきて、夜間暗く感じたり、車検に不合格となる可能性があります。
車庫保管や、日陰に駐車することが多い場合は劣化が遅くなりますが、黄ばみが出てきたヘッドランプも定期的な磨き作業で復活できます。
DIYでも簡単に黄ばみ取りができるので、ご自宅で洗車のついでに作業すると良い状態がキープできると思います。
おすすめは、カー用品店やホームセンターで手に入るKUREのLOOXです。
~お店での磨き作業費用目安~
状態により、5000円~1万円程度 またはそれ以上
車検で光量不足が指摘された場合、前期型の場合HIDのバルブも劣化していると思われ、バルブを交換することで対応することができます。
ステアリングシャフトからの異音
デリカで比較的良く発生すると思われるトラブルです。車庫入れなどでステアリングを早く大きく回す際に出やすい症状で、グググ・・・というゴムがこすれるような音が発生します。一度耳につくと気になってしまうため
グリスを充填することで対処できるようで、費用も掛からず簡単な部類の修理だと思います。
足回りのゴムブーツ類の破れ
こちらもデリカに限った話ではありませんが、劣化により足回りのゴムブーツ類が劣化します。
デリカの場合、以下の部品は5年目以降は定期点検で注目し、ひび割れを見つけたら、破れる前に交換しておくと安心です。費用はかさみますが、同時に交換しておくと良いと思います。
・タイロッドエンドのブーツ
・ロアアームのボールジョイントのブーツ
・スタビライザーリンクのブーツ
・ドライブシャフトブーツ(特にリフトアップ改造車)